「サッカー競技規則第5条 主審」の最新動向 ― 2025/26改正でどう変わる?

目次

①「主審で試合が決まる!? 最新ルールでさらに重みを増す『第5条』の真価」

サッカーの試合で、最もピッチ全体を見渡し、選手たちのプレーを導く存在が主審です。主審の一つひとつの判定が試合の流れを左右し、その決定は最終的で絶対です。

2025/26シーズン、国際サッカー評議会(IFAB)は競技規則を一部改正し、主審の役割に新たなポイントが加わりました。ゴールキーパーの保持時間のカウントダウンや、キャプテンオンリーの活用など、最新技術とルールが融合し、主審の責任と裁量はこれまで以上に重要になっています。

この記事では、そんな「競技規則 第5条 主審」について、最新改正ポイントや実務への影響、今後の展望までをわかりやすく解説します。サッカーに関わるすべての人に知っておいてほしい、主審の真価と進化をぜひご覧ください!

💡主審と切っても切り離せないサッカーの反則ルールなどまとめた解説記事はこちら↓

②「ピッチの支配者は誰だ? ― 主審の役割と権限を徹底解説」

サッカーのルールブック(競技規則)第5条は、主審の役割について次のように定めています。

「主審は試合の管理を担当し、競技規則の執行について最終的な権限を有する。」

つまり、主審はピッチの中で絶対的な存在です。主審の判定は、いかなる場合でも最終的な決定となり、選手や監督、観客からの異議申し立ては認められません。

また、主審には次のような具体的な権限があります:

  • 試合開始・終了の合図
  • 得点が有効かどうかの判定
  • 反則や不正行為に対する警告や退場の処分
  • 試合の一時中断・中止の判断
  • ゴールネットやラインの点検、安全確認 など

ピッチにいる全員が安全かつ公平にプレーできる環境を守るのが、主審の大切な役目なのです。

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③「2025/26ルール改正で主審の役割が進化 ― 注目の変更点とは?」

2025/26シーズンから、IFAB(国際サッカー評議会)のルール改正により、主審の役割に関わるいくつかの重要な変更が施されました。

特に注目すべきは次のポイントです:

ゴールキーパーのボール保持時間が8秒に延長 & カウントダウン表示

  • 従来は「6秒ルール」でしたが、2025年7月からは「8秒ルール」に。
  • 主審が残り時間を選手や観客に分かるように、腕でカウントダウンするジェスチャーをすることが明示されました。

✅ キャプテンオンリーのガイドラインの実施

  • キャプテンの明確化と審判のジャッジに対する各チームの対応

💡キャプテンオンリーのガイドラインに関する解説記事はこちら↓

主審の裁量強化

  • フェアプレー精神の維持や選手保護の観点から、より厳格な反則取り締まりが推奨されています。

これらの改正により、主審は「ルールの番人」であるだけでなく、「試合の円滑な進行をサポートする演出者」としての役割も強まっています。

次のパートでは、これらの改正が試合現場でどのように影響するのかを見ていきましょう!

④「ルール改正が試合の風景を変える ― 主審の新たな挑戦」

ルールが変わると、試合の風景も変わります。では、2025/26シーズンの改正によって、実際の試合ではどんな場面で主審の役割が際立つのでしょうか。

例えばゴールキーパーの「8秒ルール」。
主審が腕でカウントダウンのジェスチャーをすることで、観客や選手にとってもタイムワーストが一目瞭然に。これにより、時間稼ぎの駆け引きが減り、よりスピーディーな試合展開が期待されます。

GKのボール8秒保持ルールに対しての説明文書および背景とQ&Aはこちら

背景
競技規則第12条では、ゴールキーパーが手や腕で6秒を超えてボールをコントロールした場合、主審に間
接フリーキックを与えるよう求めているがほとんど実施されなかった。その主な理由は、ペナルティーエリア
内で間接フリーキックを管理することは難しく、時間を要するからである。それにより、ゴールキーパーはこ
の規則を無視し、長時間ボールを保持することになった。特に、自チームにとって有利な状況では、時間を
浪費し、試合のテンポを遅らせる目的で行われることが多かった。
2025年3月に行われた第139回年次総会で、数百試合に及ぶ試行で得られた説得力ある証拠が示され
た後、国際サッカー評議会(IFAB)は、ゴールキーパーがボールを保持できる時間を2秒延長し、新しい8秒
の時間制限を厳密に実施することを決定した。その際、主審は目で見て分かるように手を上げて最後の5
秒間をカウントダウンするゴールキーパーが8秒を超えてボールを保持した場合、主審は相手チームにコ
ーナーキックを与えることになる。

この競技規則変更の詳細と、それがどのように適用されるかは以下のQ&Aに記載されている。
Q+A

  1. なぜ競技規則を変更する必要があったのか?
    審判員がこの競技規則を施行せず 、ゴールキーパーが、特に自分のチームが勝っているときに、時間を
    浪費し、試合のテンポを変えるために6秒よりはるかに長い時間ボールを保持していた。これにより、競
    技者、指導者、そしてファンが不満を抱くことになった。
  2. なぜ審判員はこの競技規則を施行しなかったのか?
    審判員は、ゴールキーパーが6秒より長い時間ボールを保持することを罰することはめったになかった。
    その理由は、ペナルティーエリア内で間接フリーキックを管理することは大変困難で、ゴールキーパーが
    長い時間ボールを保持すること以上に試合のリズムを乱したからである。
    さらに、ペナルティーエリア内での間接フリーキックを与えることは、相手チームにとてもよい得点の機
    会を与えるという点で、厳しい罰則となるからである。これまでの競技規則は、反則(ゴールキーパーが
    6秒を超えてボールを保持すること)と罰則(間接フリーキック)が釣り合っておらず、不公平と見なされ
    ていた。その理由は、攻撃側のチームはボールを保持しておらず、またボールがゴールキーパーによって
    保持されているときはボールを奪える機会もないからである。
    3. なぜ罰則が間接フリーキックからコーナーキックに変わったのか?
    IFABは効果的に抑止できる方法、そして審判員が容易に管理できる再開方法を模索した。そしてコー
    ナーキックが選ばれた。それは、ゴールキーパーはコーナーキックを与えたくないと考えていることと、コ
    ーナーキックは管理が容易であり、ペナルティーエリア内での間接フリーキックと比べてより素早く再開
    できるからである。
    4. なぜゴールキーパーがボールを保持できる時間は6秒から8秒に伸ばされたのか?
    分析の結果、ゴールキーパーが時間を浪費し、試合のテンポを遅らせようとしている場合を除き、ゴール
    キーパーは明らかにボールをコントロールしてからたいてい8秒以内に放していることが示された。
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    添付4:手や腕でゴールキーパーがボールをコントロールすることについて 背景とQ+A
    分析の初期段階、そして試行の結果からゴールキーパーがボールを放す時間には主に以下の3つのパ
    ターンがあることが分かった:
  • 1-4秒: ゴールキーパーが素早いカウンターアタック*を始めたいとき
  • 5-8秒: ゴールキーパーは、素早くボールを放したいが、パスを出せる味方競技者が見つからない、
    または別の競技者が進路上にいるとき(たいていは偶発的に)。例えば、攻撃側のフリーキ
    ック、またはコーナーキックの後でペナルティーエリア内が競技者で込み合っているとき
  • 8秒以上**: ゴールキーパーが意図的に時間を浪費し、試合のテンポを遅らせようとしているとき
    *イタリアでの試行期間中、全体の61%の場面でゴールキーパーは4秒以内にボールを放していた
    **いくつかのケースでは、ゴールキーパーが20秒以上ボールを保持していることもある
    5. ある試行ではスローイン、別の試行ではコーナーキックが用いられていた。なぜIFABは長い時間
    ボールを保持するゴールキーパーへの罰則としてコーナーキックを選んだのか?
    試行に携わった関係者によって、スローインよりもさらに強い抑止力があると評価されたため、 IFAB
    はコーナーキックがより適切な罰則だと判断した。
    6. いつゴールキーパーが手や腕でボールをコントロールしたとみなされるのか?
    競技規則第12条によると、ゴールキーパーが手や腕でボールをコントロールしたとみなされるのは次の
    ような場合である:
  • ボールがゴールキーパーの両手、または両腕で持たれているとき
  • ボールがゴールキーパーの手、または腕と他のもの(例えば、グラウンド、自分の体)との間にあると
  • ゴールキーパーが広げた手のひらでボールを持っているとき
  • ボールをグラウンドにバウンドさせる、または空中に投げ上げたとき
    7. いつ8秒のカウントを始めるのか?
    8秒のカウントは、ゴールキーパーが手または腕で明らかにボールをコントロールしていると主審が判断
    した時点で開始される。カウントダウンを開始するのに、ゴールキーパーが立っている必要はない。それ
    は、特に時間が浪費される多くの場合、ゴールキーパーはボールをキャッチした後、不必要にグランドに
    倒れ込み、誰も立ち上がるのを妨げていないにも関わらずそのままの状態でいるからである。
    もし、相手競技者が、ゴールキーパーが8秒以内にボールを放すのを妨げた場合、アドバンテージが適用
    される場合を除き、フリーキックがゴールキーパーのチームに与えられる。
    8. 8秒の残り5秒をカウントダウンするために、なぜ主審は手を上げるのか?
    主審が手を上げて5秒から0秒まで指を使ってカウントダウンするのは、ゴールキーパーが罰せられるの
    を防ぐためである。また、そのカウントダウンは、ゴールキーパーの味方競技者がカウントダウンを終え
    る前にボールを受けられるようにするのにも役立つ。
    9. どちらのサイドからコーナーキックは行われるのか?
    ゴールキーパーが罰せられた時に立っていた地点に近いサイドからコーナーキックは行われる。
  1. どこで試行が実施されたのか?
    イングランド、イタリア、そしてマルタで行われた400試合以上の公式戦で試行は実施された。第三者の
    (審判)オブザーバーがどれくらいの時間ゴールキーパーがボールを保持したかを計測した。
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    添付4:手や腕でゴールキーパーがボールをコントロールすることについて 背景とQ+A
  2. 試行期間中、ゴールキーパーが罰せられたケースは何回あったのか?
  • マルタでの179試合で、ゴールキーパーが8秒を超えてボールを保持し罰せられることはなかった。
  • イギリスでの160試合、そしてイタリアでの80試合で、ゴールキーパーが8秒を超えてボールを保持
    し罰せられたケースは(4試合で)5回だけである。それらはいずれも試合終盤のことであった。
  1. 試行に参加した関係者からはどのようなフィードバックがあったのか?
    監督、ゴールキーパーそして審判員にアンケートが実施された。ゴールキーパーの一部は他の関係者と
    比較してやや慎重な反応であったものの、その結果は非常に前向きなものであった。
  • 63.7%は、この変更は試合に良い影響を与えたと回答した。
  • 72.5%は、この変更の結果、試合のテンポがより速くなったと回答した。
  • 87.6%は、主審による5秒のカウントダウンは役立ったと回答した。
    13. IFABの試行はたいてい2年続くはずだが、なぜこの試行は1年という短い期間だったのか?
    400試合以上で反則がわずか5件しか起きず、試行への参加者から前向きなフィードバックが寄せられ
    たこと、そして特にすべてのレベルの試合にとって有益であることを踏まえ、IFABはこの変更を競技規
    則に導入することを遅らせる理由はないと判断した。
    新たな競技規則の文章
    第12条 -反則と不正行為
  1. コーナーキック
    ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内で、ボールを放すまでに手や腕で8秒を超えてコントロール
    した場合、コーナーキックが与えられる。ゴールキーパーが手や腕でボールをコントロールしていると判断さ
    れるのは、次のときである。
  • ボールが両手や両腕で持たれているとき、または手や腕と他のもの(例えば、グランド、自分の
    体)との間にあるとき
  • ゴールキーパーが広げた手のひらでボールを持っているとき
  • ボールをグラウンドにバウンドさせる、または空中に投げ上げたとき
    主審は、いつゴールキーパーがボールをコントロールして8秒が始まるかを判断し、そして手を上げて目で
    見て分かるように最後の5秒をカウントダウンする。
    ゴールキーパーが手や腕でボールをコントロールしているとき、相手競技者は、ゴールキーパーにチャレン
    ジすることはできない。

また、主審の裁量の強化は、選手の安全やフェアプレーを守るための厳格なジャッジが求められることを意味します。観客にとっても、より透明で納得感のある試合運営が感じられるはずです。

ピッチの上で「正しい判断」を瞬時に下す、その責任と重圧はこれまで以上に大きくなったと言えるでしょう。

⑤「なぜ今、主審の役割が見直されるのか ― ルール改正の背景に迫る」

毎年のように行われるルール改正。その背景には、サッカーをより公平で安全なスポーツに進化させたいという強い意志があります。

例えば近年、試合終盤の時間稼ぎや、過度な抗議による試合の停滞が問題視されてきました。こうした状況に対応するために、ゴールキーパーのボール保持時間の明確化や、カウントダウンの導入が決まったのです。

また、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入以降、主審の「最終決定権」が形骸化するのではないか、という懸念もありました。しかしIFABは、あくまで主審の判断が最終であることを強調しつつ、テクノロジーと上手に共存できるルールへと調整しています。

さらに、イタリアやスペインなどでは審判への暴力や過剰なプレッシャーが社会問題となり、審判保護法や厳罰化が進められています。こうした国際的な流れも、第5条の重みを増している要因のひとつです。

つまり、ルール改正は単なる形式的な変更ではなく、サッカーをもっと楽しく、フェアに、安全にするための進化なのです。

⑥「進化する主審の役割 ― 未来の試合を支える存在へ」

サッカーは世界中で最も愛されるスポーツだからこそ、時代に合わせて進化し続けています。それは、主審の役割も同じです。

これからの主審には、これまで以上に次のような力が求められるでしょう:

  • テクノロジーを駆使して瞬時に最適な判断を下す力
  • 選手や指導者と円滑にコミュニケーションをとる力
  • 激しいプレーや感情的な場面を冷静にコントロールする力

今後は、「キャプテンオンリー」の徹底や、AIのサポートによるオフサイド判定強化なども検討されています。

ピッチの上で選手たちが最高のパフォーマンスを発揮するためには、主審が確かなルールの知識と強い信念をもって試合を導くことが欠かせません。

サッカーの未来を支えるのは、選手だけでなく、主審の進化にもかかっているのです。

⑦「主審の進化がサッカーを変える ― 知っておきたいルールの今」

主審の役割は、単なるルールの監視役ではありません。試合全体の空気を読み、安全を守り、フェアなプレーを支える、まさにピッチのリーダーです。

2025/26シーズンの改正では、ゴールキーパーの8秒ルールや、主審の裁量を明確にする規定が加わり、主審の存在感はさらに増しました。

ルールの進化の裏には、サッカーをもっと楽しく、公平で、安全なものにするための努力があります。そしてその最前線に立つのが主審です。

試合を見る側も、プレーする側も、ぜひ主審の役割やルールの背景を理解して、より深くサッカーを楽しんでみてください。

主審が変われば、試合が変わる。
サッカーの魅力は、こうして進化し続けるのです。

💡初心者も経験者もこれ一択!サッカー用語をまとめた辞典機能のある記事はこちら↓(この記事で出てきた用語もあります)

エイト

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